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2016年4月の記事

2016.04.24

ミステリーゾーンに引き込まれる!伝説の作家の異色過ぎる短編集!・・・『予期せぬ結末2 トロイメライ』(チャールズ・ボーモント・作、扶桑社ミステリー)

 ずっと積読だった扶桑社ミステリーの『予期せぬ結末2 トロイメライ』(井上雅彦・編、植草昌実・訳、YOUCHAN・カバーイラスト)を読了しました。ロジャー・コーマンの映画やTVドラマ「ミステリーゾーン」の脚本家であり、若くして亡くなった伝説の作家でもあるチャールズ・ボーモントの短編集です。本邦初訳も4篇あります。

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 チャールズ・ボーモントの奇譚ばかり13篇(「血の兄弟」、「とむらいの唄」、「トロイメライ」、「悪魔が来たりて――?」、「幽霊の3/3」、「秘密結社SPOL」、「殺人者たち」、「フリッチェン」、「集合場所」、「エレジー」、「変身処置」、「老人と森」、「終油の秘蹟」)を集めたオリジナル短編集です。

意想外の設定と冴え渡るラストのひねり。 稀代のアンソロジスト・井上雅彦が贈る、海外異色作家短篇シリーズの第二巻が登場。 様々なジャンルで圧倒的な才能を発揮しながら、38歳の若さで数奇な人生を閉じた天才チャールズ・ボーモント。 彼の遺した珠玉の作品群から、未訳作と個人集未収録作のみをセレクト。 自らが死ねば世界が終わると主張する死刑囚を描く表題作ほか、怪物小説の伝説的傑作「フリッチェン」、社会派SFの名品「変身処置」など、個性あふれる短篇13本を収録! 〈解説・植草昌実〉(内容紹介より)

 「血の兄弟」は自分が吸血鬼になったと言う男が精神分析にかかる話。男はある娘に血を吸われて吸血鬼となったのだと話す。男が医者に訴える窮状の数々が笑える。ラストは予期せぬとぼけた結末。

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 「とむらいの唄」は近々死人の出る家を訪ねてはと葬送の唄を歌う老人に反発の念を抱き続けた青年の話。運命に逆らうことへの無力感を表した寓話とも取れるが、アメリカの片田舎では実際にありそうな話にも思える。ボーモント最晩年作。

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 表題作「トロイメライ」は夜遅くに刑事弁護士の家に訪れた友人が語る死刑囚の話。その死刑囚は自分が死ぬとあることか起きると言う。死刑の執行は真夜中、何が起こるのだろう。ボーモントは既にあるアイデアを一捻りしている。

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2016.04.03

史上初のゾンビ映画!但し人は食べません(笑)!…『恐怖城 ホワイトゾンビ』(アメリカ映画、1933年日本公開)

 DVDで1932年ユナイテッド・アーティスツ作品の『恐怖城 ホワイトゾンビ』を鑑賞しました。

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 この作品は史上初めてヴードゥーのゾンビを扱った映画とのことで、ゾンビ達は不死者ではなく催眠j状態で操られている人間です。

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 ハイチを舞台にしており、ちゃんと砂糖工場で働かされるゾンビの描写があったりして面白いです。ベラ・ルゴシが目力全開で熱演しています。日本でも翌年に『恐怖城』のタイトルで公開されています。

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 ルゴシは砂糖工場の経営者ルジャンドル役なのですが、どうやらヴードゥーの黒魔術を使う司祭でもあるらしく、ロウソクを削って人形を作り、目を見開いて印を結んで呪術をかけた相手をゾンビにします。

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 ただ、同時に何らかの薬を使っているようなので、どうも人間を薬で仮死状態にしてゾンビのように見せかけているだけなのでは?とも思えてしまいます。

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 史上初のゾンビ映画なのですが、結局のところ(ユニバーサルのミイラのシリーズなんかもそうですが)単なる女の取り合いになってしまっている、というところがいかにもアメリカ映画らしい作品です。

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2016.04.02

ニューロティックスリラーの佳作!アメリカ版『悪魔が呼んでいる』!?…『黒い河』(アメリカ映画、日本未公開)

 シネマノヴェチェントでフィルム・ノワール傑作選②のラスト二本(『黒い河』、『女囚の掟』)を鑑賞しました。一本目はアンドレ・ド・トス監督、マール・オベロン主演のニューロティックスリラー『黒い河』です。

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 この映画は一口で言えば山本廸夫監督の『悪魔が呼んでいる』やハマーの『恐怖』のどんでん返し一段目とか、でご理解いただけるでしょうか?

 1944年という第二次大戦真っ只中の、しかし勝敗の帰趨はほぼついた時期に作られた映画らしく、発端はドイツのUボートに撃沈された客船です。船から財産家の娘だけが唯一生き残ったことを伝える新聞記事から始まります。例によってこの娘は心に深い傷を負ってしまいます。

 娘は療養のため未だ見ぬ叔母を頼ってルイジアナの湿地帯に赴きます。電報を打ったのに誰も迎えに来ないことでパニックになった娘は倒れ、現地の医者に介抱されます。ここから次々と奇怪なことが娘に対して起こり、娘は自分の正気を疑うようになるのはお約束です。

 謎解きは予想通りなのですが、とにかくマール・オベロンがとことん怖がらされる役をうまく演じており、ラストは痛快でのカタルシスを感じます。

注:"JP"と記載された写真はAmazon..co.jp(日本)に、"UK"と記載された写真はAmazon..co.uk(英国)に、"USA"と記載された写真はAmazon.com(米国)にリンクしていますので、ご注意ください。

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