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2016.02.14

ヒロイン沢井桂子さんの撮影秘話トークを堪能!円谷英二実質最後のゴジラは宇宙侵略SF+怪獣対戦映画の意欲作!・・・『怪獣大戦争』(東宝、1965年)@シネマノヴェチェント

 西横浜/戸部のシネマノヴェチェントで『怪獣大戦争』を鑑賞しました。この映画は私が初めて劇場で観たゴジラ映画で、とても思い入れがあります。本当はキングギドラがデビューした前年の『三大怪獣地球最大の決戦』を観に連れて行ってもらいたかったのですが、親の都合でダメだったので、『怪獣大戦争』で初めて動いているキングギドラを観ることができ、とても興奮したことを覚えています。

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 『怪獣大戦争』は怪獣映画ではありますが、ベースとなるストーリーは『地球防衛軍』や『宇宙大戦争』と同様、宇宙人による地球侵略SF映画です。そのため、『怪獣大戦争』は前作を受けた形で、キングギドラ、ゴジラ、ラドンが引き続き登場しますが、本筋にはあまり絡まず出番は極端に少なくなっています。

 キングギドラは前作では金星を滅ぼして次に地球を狙ってやってくる自立的な宇宙超怪獣でしたが、今作では『地球防衛軍』のモゲラのように宇宙人の侵略の尖兵にしか過ぎません。中野監督によればSF映画が当たらない日本で、どうSFを見せるかを考えて作られたとのことです。宇宙人にゴジラを絡ませても破綻せず、観客が納得できる完成度の高い映画になっているのは、やはり脚本の関沢新一さんのお手柄なのだろうと思います。

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 この作品は何と言っても地球侵略を狙うX星人のユニークさが売り物です。X星人は最初から領土と女性の要求を突きつけてきたミステリアンよりも相当陰湿な宇宙人で、キングギドラ撃退のためにゴジラとラドンを借してくれ、その代わりに癌の特効薬処方を教えるから、と当初は表面上Win-Winの関係を築こうとするように見せかけます。当然、その裏では地球を乗っ取る陰謀を着々と進めています。

 『宇宙大戦争』の敵ナタール人は直接の意思疎通が出来る相手ではありませんでしたが、『怪獣大戦争』のX星人は『地球防衛軍』のミステリアンのように一見コミュニケーションが取れる相手のように思えます。そのため宥和か抗戦か、地球人としては大いに悩むところです。但し、X星人は自動計算機を盲目的に信奉しておりコンピューターが出した指示の通りに動きますから、X星人と真のコミュニケーションを取ることは地球人にとってはかなり難しいものと思えます。

 『地球防衛軍』ではミステリアンの統領を演じた土屋嘉男さんが再登場し、X星人のトップである「統制官」を楽しそうに演じています。地球基地指令を演じた田武謙三さんも印象に残ります。初登場シーンではなんと日焼サロンのように光線を浴びています。背中にはお灸のようなものも着いています。これはX星人の体が弱っていることを観客に見せているのでしょうか?それともX星人の素顔では青白すぎて地球人に化けられないないから変装用なのでしょうか?

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 X星人のユニフォームも初公開当時としては相当ぶっ飛んだもので、子供心に強烈に刷り込まれてしまい、ずっと忘れることができませんでした。そのため『ゴジラ FINAL WARS』のX星人には大いに失望したものです。

 上映後にはこの映画のヒロインである沢井桂子さんと、特撮のチーフ助監督だった中野昭慶監督によるトークショーとサイン会・撮影会が行われました。

 沢井さんは物心ついたころから女優になると決めていたそうです。第4期オール東宝ニュータレントの一員として1964年にデビューされていますが、オール東宝ニュータレントは映画のスター候補であるニューフェイスと違って、映画のみならず舞台にもテレビにも活躍する役者さんとして幅広く期待される若手という位置づけだったのだそうです。

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 沢井さんの芸名の桂子は撮影所の重役が大先輩の小林桂樹さんに沢井さんの芸名を相談したところ、ご自分の名前からから一字取って付けて頂けたとのことです。

 新人時代の『海の若大将』は古澤憲吾監督が怖かったとのことです。古澤監督からは泳げて潜れるようにもしておいてくれと撮影前に言われたので絶対無理と思ったのですが、それは監督としての思いを伝えたものらしく、実際の撮影は吹き替えを使ったのだそうです。

 『海の若大将』の撮影では、当時の水着はパットも入っていないので恥ずかしがっていたら、加山さんがバスタオルを背中に掛けとけばと言ってくれたとのこと。後に本多監督の『お嫁においで』でも自信がないのに水着を着せられて恥ずかしかったとのことでした。

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 『お嫁においで』は沢井さんの実質的な初主演作ですが、『フランケンシュタイン対地底怪獣』、『怪獣大戦争』と二本続けて本多監督の映画に出たので、そのつながりで呼ばれたのだと思うとのことです。本多監督には今までより活発な役だからと言われたとのこと。本多監督はやさしい方で、当時は次の映画も本多さんで良かったと思っていたのだそうです。

 『怪獣大戦争』の共演者では、ニック・アダムスさんは変な日本語を覚えてきては、皆を笑わせていたとのこと。土屋嘉男さんは円盤や宇宙人のお話を熱心にされていた、貴女も是非信じなさいと言われたそうです。田崎潤さんは普段は優しいけれどお酒が入ると豪放磊落で大声で話すので、遠くにいてもまた田崎さんが話してるなとわかったとのことです。ロケ先の宿では天気祭と称して毎晩皆でお酒を飲んでいたそうです。

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 中野監督は『怪獣大戦争』では怪獣の出番こそ少ないが、民家を潰すゴジラの足などは大きいものを作ってクレーンに着けて撮影したり、キングギドラのピアノ線も増やして滑らかな動きが出来るようにしたり、新しい試みもしていて前作と比べて特撮カットが少ないと思ったことはないそうです。

 円谷英二特技監督はこの映画が実質的に最後のゴジラ映画の特技監督(次作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』では有川貞昌監督が特技監督補名目で演出を代行)なのですが、ゴジラのシェーにしても、コントロールが解けて痙攣するところでも、とにかくこの映画では怪獣達の演技を重厚なものではなくコミカルなものに変化させたとのこと。客層を低年齢層に広げる意図があったとのことです。当時円谷監督は64歳、この映画で第20回 (1966年度)の「日本映画技術賞(現・映像技術賞)」を受賞しています。

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 ゴジラのシェーは円谷さんが撮影所長に言われて取り入れたそうですが、手がどっちにすれば正しいのかわからなかったので、中に入った中島春雄さんは両方やっているのだそうです。

 沢井さんと中野監督のトークは素晴らしく、本編と特撮の両方の裏話が聞けましたので、とても楽しく参考になりました。本当は沢井さんの相手役である久保さんもゲストとして来場される予定だったのですが、残念ながら体調不良でお目見えにならず、その代わりに全員に久保さんのサイン色紙が配付されました。沢井さんはからは全員にバレンタインデーのチョコを頂きました。とても嬉しいプレゼントでした。

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注:"JP"と記載された写真はAmazon..co.jp(日本)に、"UK"と記載された写真はAmazon..co.uk(英国)に、"USA"と記載された写真はAmazon.com(米国)にリンクしていますので、ご注意ください。

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