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2013.05.28

『深夜+1』の映画化(?)を堪能!鈴木清順監督の傑作和製ノワール!…『殺しの烙印』(日活映画)

殺しの烙印JP殺しの烙印 (1967)

【監督】鈴木清順
【出演】宍戸錠 / 小川万里子 / 真理アンヌ / 玉川伊佐男 / 南原宏治
with ぴあ映画生活

 鈴木清順監督の和製ノワール『殺しの烙印』をDVDで鑑賞しました。カルト映画だと言われますが、今観るとそうでもありません。この映画を理解できなかった当時の日活社長が清順監督との契約を打ち切ったとのエピソードが有名ですが、それが事実だとしたも、冗長な説明を省いたハードボイルドな表現が当時の感覚ではアヴァンギャルド過ぎて、観客が着いていけなかったのだろうと思います。後の『ツィゴイネルワイゼン』や『陽炎座』を知っている現代の観客には十分理解できる内容の映画です。

 驚いたことに冒頭の15分ほどはギャビン・ライアルの傑作サスペンス小説『深夜+1』そのままです。海から上がってくるVIPの護送、モーゼル機関拳銃、アル中の相棒、切り通しというか崖の上下での攻防や、敵殺し屋を火だるまにして仕留めるシーン等、かなり原作(?)に忠実にコンパクトに映像化しており、感動的です。

 主役の殺し屋花田を演じるのは痺れるほどかっこいい宍戸錠さん。花田にとってファム・ファタルである美沙子役には美しいヌードを惜しげもなく披露する真里アンヌさん。このお二人には近いうちにイベントでお会いできる予定でとても楽しみです。そして殺し屋No.1を演じる南原宏が相変わらずなんとも色っぽい。

 オープニングとエンドタイトルで流れる殺し屋の歌が寂寥感抜群で、『怪奇大作戦』の「死神の子守唄」が頭に浮かびました。『№1は誰だ!?№1は俺だ!』と叫ぶ花田の空虚さ、秀逸です。

注:"JP"と記載された写真はAmazon..co.jp(日本)に、"UK"と記載された写真はAmazon..co.uk(英国)に、"USA"と記載された写真はAmazon.com(米国)にリンクしていますので、ご注意ください。

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コメント

公開当時に見てさっぱりわからず、6回見ました。当時は、2番館、3番館があったので、何度でも追いかけて見に行けたのです。
このポップな省略された画面は、当時では衝撃的で、堀久作が「分からない」と言ったのも、ある意味で正直な感想だったと思います。それよりも堀が一番怒ったのは、鈴木監督が、助監督、脚本家、美術の木村威夫など、多くの連中を集めていたことが気に入らなかったのではないかと思っています。中小企業の社長の陰で、ごそごそわけの分からないことを社員連中がやっているということが不快だったのだと思うのです。

投稿: さすらい日乗 | 2015.08.14 11:24

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