スクリーンで楽しむ航空祭!?・・・角川映画『空へ~救いの翼 RESCUE WINGS~』
角川映画『空へ~救いの翼~』は、航空自衛隊航空救難団小松救難隊に所属する女性ヘリパイロットの活躍を描く青春映画だ。空自にはまだ女性の救難ヘリパイは誕生していないが、この映画では一足早くその活躍を見ることができる。
原作は空自小松基地を舞台にしたアニメーション『よみがえる空-RESCUE WINGS-』(バンダイビジュアル)と、コミックス『レスキューウイングス』シリーズ(トミイ大塚作、メディアファクトリー刊)。 破天荒な女性パイロット川島遥風(はるか)を主人公とした『レスキューウィング ゼロ』の設定がほぼこの映画のベースになっているが、『よみがえる空-RESCUE WINGS-』の悩めるF転ヘリパイ(男性)の要素もうまくミックスされている。
空自航空救難団の本来任務はもちろん(映画ラストのレスキューのように)空自のパイロットが遭難した場合に助け出すことなのだが、それに加えて映画の災害救助の場面のように都道府県の知事や海保の長からの派遣要請がかかった場合、民間人の救助に向かう場合もある。その点では映画前半に語られる漁船の遭難や貨物船の火事等に出動する機会も無いわけではないだろう。
映画の中でも救難団を「最後の砦」と呼んでいるが、消防、警察や海保が救助できない困難な災害時にも出動するとなれば、事故も多くなるだろう。事実主人公の川島遥風(はるか)三尉を演じる高山侑子の父親は新潟航空救難団の一員だったが、訓練中の事故で亡くなられたとのこと。その娘さんが救難ヘリパイの役で映画デビューしたのだから運命の導きなのかもしれない。
その高山侑子はなんと弱冠16歳。日に焼けた化粧気のない顔が少年のようにとても凛々しく、時折まるで本物の空自ヘリパイのドキュメンタリーと錯覚してしまうようなしっかりした表情を見せる。とても十代には見えない、先が楽しみな女優さんである。もっともメイキング映像のインタビューなどを観ると、確かにミドルティーンらしい初々しさが伺える。
今年の小松基地航空祭で見事な救助訓練展示を見せてくれた機体は、この映画に出演した機体だった。以前の黄色と白のツートンカラーは各地の航空救難団でももう少数になっており、小松航空救難団では洋上迷彩のUH-60と空色のU-125Aのみが使われている。主人公の回想部分に出てきたバートルは浜松救難団の機体である。
映画には小松の主役である飛行隊のイーグルも登場する。アフターバーナーを吹かして急上昇する機体を超望遠で捉えるカットはまるで映画で見る航空祭である。
監督は『ゴジラ×メカゴジラ』で釈由美子を自衛隊最終兵器メカゴジラに乗せてしまった手塚昌明。ドラマ部分のチープさは相変わらずなのだが、レスキューシーンはさすがにミリオタの本領発揮と言える出色の出来である。
空自ばかりでなく海自も撮影に協力している。護衛艦はるさめへの空自ヘリ着艦はエキサイティングだ。はるさめの艦長役で中村雅俊が出演しているが、白い第三種夏服がよく似合っていた。
UHにエスコートする白いSH-60Kの姿も映画艦で観るのは初めてである。この映画は公開されている劇場が極端に少なく、幸い近くで公開していたので観ることができたのだが、パンフレットは二日目なのに売り切れと言われた。朝なのにまあまあの客数だったので、ヒットしているのだろうか?DVD発売と続編が待たれる一編である。


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