モリアーチーのブログにようこそ!

 ようこそ、こちらはモリアーチーが体験したイベントや日常生活で興味を持ったことを綴るブログです。

 なお、特撮映画やSF・怪奇小説に関する紹介と感想のブログ『モリアーチーの不思議大好き 』と陸海空の楽しい乗り物やミリタリー系イベント探訪のブログ『モリアーチーのワクワク乗り物図鑑』もこちらのブログに統合いたしましたので、よろしくお願いいたします。


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2017.04.20

竜宮城は月にあった?!元ネタが怪作だからリメイクは大怪作?!・・・『月へのミサイル』(アメリカ映画、日本未公開)

 DVDでアメリカ映画『月へのミサイル』を鑑賞しました。1958年製作作品ですが、日本では未公開です。
Missile to the Moon (1958) - IMDb

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迷作「月のキャット・ウーマン」のリメイク。 そもそもオリジナルがとんでもない映画として有名なのに、それをわざわざリメイクしたので、内容はもうハチャメチャ。 でも、心が折れそうになっている時や落ち込んでいる時に観れば、(違う意味で)勇気づけられる、そんな一本。(解説より)

 おそらくヘンテコ映画のコンテストをやれば上位に食い込むことが確実な一本です。『月のキャット・ウーマン』は未見ですが、タイトルからしてまともな映画ではないでしょうね。そのリメイクなので当たり前におかしなお話になっています。

ダーク・グリーン博士は政府高官の傲慢な計画により画期的なロケット計画から外される事になる。 これに憤りを感じた博士は偶然、脱獄した二人組を助手にロケットで発射! そこにまたまた助手のスティーブ・レイトンと恋人ジェーン・セクストンも乗り合わせて5人で月へ向かう事に・・・。(解説より)

 国家の威信を賭けて計画していた月ロケットがたまたま逃げ込んできたど素人の脱獄囚の手で操縦できるものなのか?!ダーク・グリーン博士の本当の目的は月の女に会いに行く(当然再会なのです)ことだったのか!?そんな突っ込みをしたくなるのを必死で堪えながら観ます。要はひょんなことから呉越同舟ロケットに乗って月に向かった5人の男女の冒険譚です。果たして彼らが月で見るものは!?と期待させます。まあ、ここまでは百歩譲って許せます。

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 月に到着するといい加減な宇宙服を着た一行を岩男が襲ってきます。文字通り岩から抜け出してくるのですが、なかなかユニークです!これはセンス・オブ・ワンダーを感じますす。良い味だしてますが、ものすごく動きが鈍いです、岩ですから。とにかく緊迫感はまるでなし。一行は岩男からいとも簡単に逃れて洞窟に避難すると、そこにはなんと空気がありました。そして月人が現れ一行を指導者リドのもとに案内します。

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 以降は延々と洞窟内でのお話になります。とにかくなぜかレオタードに東洋風衣装を身にまとった月の美女軍団が見ものです。竜宮城のイメージそのものです。鯛や平目は出てきませんが、月の美女がちゃんと舞い踊りもしてくれます。その踊りがまた珍妙です。他に呼び方が思い浮かびません。踊りのシーンは確実にはまります。

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 美女軍団がSWのランカーのような感じで飼っている巨大蜘蛛も登場します。これは造形が良かったのでせめてもう少し大きく見せるとかしてほしかったです。しかも操演怪獣なのでヒョコヒョコとやってきます。怖くもなんともないじゃないですか。

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 日本で発売されているDVDはモノクロ版ですが、アメリカではカラライズされているようです。観たいです、やはり竜宮城はカラーでないといけませんね。しかし、そこまでやってもらえるこの映画、もしかしてアメリカ人からは愛されているのでしょうか?

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 監督のリチャード・E・カンナはハワイ出身とのことです。この映画と同じ年に『フランケンシュタインの娘』という、これまたろくでもなさそうな映画を監督しているようです。

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2016.08.31

巧みな心理描写で描くサスペンス!自分は殺人者なのか?!・・・『ゆがんだ罠』(W・P・マッギヴァーン・作、創元推理文庫)

 創元推理文庫の『ゆがんだ罠』(The Crooked Frame)を読了しました。原作者はW・P・マッギヴァーン、訳者は中田耕治さん、初版は1960年です。私が読んだ一冊は73年の8版でした。

Yugandawana

 ウィリアム・P・マッギヴァーン(William Peter McGivern)の作品では社会派サスペンスの『虚栄の女』を先日読みましたが、『ゆがんだ罠』は主人公が容疑者にされて真犯人を探す羽目になる所謂「巻き込まれ」型のサスペンス小説です。原作は1952年に発行されています。

 空想科学小説雑誌の編集長、ウェッブ・ウィルスンは、アパートにもどったとき、自分のシャツにべっとり血がついていることに気がついた。指や手が血まみれになっていた。今夜、何があったのだろう? 恐怖と不安が彼をとらえた。泥酔していたあいだに、自分が誰かを殺したのかも知れない。しかし、何ひとつ記憶になかった……。ウェッブは自分が犯人でないとすれば誰なのか思いまどう。夜、孤独、雨、恐怖、もはや頼るべきものはただひとり、自分しかいなかった。マッギヴァーン、中期の傑作スリラー「ゆがんだ罠」は、読者を奇怪にゆがんだおそるべき罠にみちびく。

 主人公のウェッブは戦争中に誤って上官を背後から射殺した過去があり、その後ろめたさのために常に酒浸りとなっています。泥酔から醒めて血まみれの自分を見ても、自分がいったい誰かを殺したのか、殺していないのか、それさえも思い出せません。

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 物語の冒頭はウェッブが自分のアパートで血まみれになっていることに気付く場面です。とても絵になるシーンです。その後すぐにウェッブの回想に入り、この小説の半ばまでこの一週間の出来事が事細かに描写されます。

 しかも、その回想の中でもウェッブは酔って戦中の欧州戦線での上官殺しを頻繁に回想するため、ウェッブの二重の回想の中で読者もウェッブと同じ立場で何か起こったのかを考えることになります。

 孤独なウェッブに寄り添うように編集部員のアン・ステファノが登場してきます。彼女のウェッブに対する思いは同情なのか恋情なのかわかりにくいのですが、彼女が戦中に赤十字に志願してウェッブと同じ欧州戦線の戦場にいたことは、明確な表現はないものの、おそらくウェッブを救いたいと思う気持ちの根源なのでしょう。

 マッギヴァーンは登場人物達それぞれの巧みな心理描写で、ミステリー的な表現抜きでも読者をぐいぐい引っ張っていきます。

 詳細は不明なのですが、『ゆがんだ罠』は1973年に当時のNET(現テレビ朝日)系列で放送されていた毎日放送制作の『サスペンスシリーズ』の一本として「それは暗闇にはじまる」のタイトルでドラマ化され、仲代達也がウェッブに当たる役を演じたのだそうです。冒頭のシーンだけでも見てみたいものです。

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2016.08.05

怪物は暑いのに包帯だらけ!熱帯の島の恐怖譚!・・・『残酷の人獣』(フィリピン映画、1966年日本公開)

 ニューラインのDVD『残酷の人獣』(TERROR IS A MAN)を鑑賞しました。1966年の日本公開作です。これを初公開時に観た方はどう思われたのでしょう。

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 熱帯の島らしい雰囲気はよく出ています。孤島「ブラッド・アイランド」に流れ着いた難破船の船員が経験する恐怖!マッドサイエンティストが生んだ怪物!と言った趣向の映画です。つまりはウェルズの『モロー博士の島』と同じアイデアですね(だから「獣人」ではなくて「人獣」なのですね、きっと)。

SF小説の古典「モロー博士の島」をベースに、フィリピン映画界の巨匠エディ・ロメロがハリウッド俳優を招いて製作したモンスター映画。往年のユニバーサル・ホラーを彷彿とさせる秀作ながら、凝ったショック演出や奇怪な豹人間のメイクなどが話題を呼び、全米のドライブインシアターで大ヒットを記録。のちにホラー・ファンの喝采を浴びる“ブラッド・アイランド”シリーズの原点となった。(解説より)

 昔TVで何度も再放送した『ドラキュラの呪い』のドラキュラ役者フランシス・レデラーが、この映画の”マッドサイエンティスト”ジラード医師を演じます。その妻フランシスにはシドニー・ピンクの『S.F.第7惑星の謎』にも出演していたグレタ・ティッセン、難破した船員フィッツジェラルドはジョージ・パルの『地球最後の日』の主役を務めたリチャード・デアと、その手の映画で名の通った俳優さん達が揃って出演しているのが嬉しいところです。

 主役はアメリカ人なのですが実はフィリピン映画です。監督のエディ・ロメロはフィリピンでは有名監督とのことで、ちゃんとした映画も撮っているようです。でも、日本で有名なのはこの作品と後ほど作った『半獣要塞ドクター・ゴードン(ドクター・ゴードンの島)』が有名です。どちらも同じモチーフです。よほど好きなんでしょうね。

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 ラストに人獣が暴れますが全身包帯なのでまるでミイラ男です。暑かったでしょうね。それで暴れたのかな。

 ショック描写の前にはベルが鳴ることになっています。でも、きっと鳴ったのでしょうが、私には記憶がありません。居眠りしていたようです。最初から最後まで謎もショックもなく、映画に緊張感がありません。まるで熱帯の暑さにやられたようにとてもとても眠たくなりました。

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侵略宇宙人から惑星を救え!宇宙飛行士の冒険譚!・・・『幻の惑星』(アメリカ映画、日本未公開)

 フォワードのDVDで『幻の惑星』を鑑賞しました。1961年のアメリカ映画ですが日本では劇場未公開です。宇宙冒険もの映画で、謎の惑星に着陸した宇宙飛行士の活躍を描きます。

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地球の宇宙船が行方不明になる事故が多発したため、チャップマン少佐(ディーン・フレデリックス)は宇宙船ペガサスで捜索に出発する。異常な重力で強制着陸させられた惑星レトンには、科学文明が発達した小人の社会が存在した。惑星の大気のため小人になったチャップマン少佐は、隕石型宇宙船でレイトンに攻撃を仕掛ける侵略異星人ソラライトに、勇敢に立ち向かっていくが…。(ジャケットの内容紹介より)

 この惑星レトンはJAXAの「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワのような形をした星です。なぜかこの星の住民は小さいのですが、当初は巨人だったチャップマン少佐までが大気の組成の影響か、するすると縮んでしまうのです。大きな宇宙服の中から這い出てくる少佐の姿はセンス・オブ・ワンダーを感じさせます。

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 監督はウィリアム・マーシャルですが、『吸血鬼ブラキュラ』の彼とは別人で、ジンジャー・ロジャースと一時期結婚していた人なのだそうです。美術はロバート・キノシタが担当しています。昨年100歳で亡くなったキノシタさんは『禁断の惑星』のロビーや『宇宙家族ロビンソン』のフライデー等ロボットデザイナーとして有名ですが、この映画のソラライト星人もデザインしたのでしょうか。

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 ちなみにこのソラライト星人のスーツ・アクターは若き日のリチャード・キールだったのだそうです。顔が見えないので本当かどうかわかりませんが。

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2016.07.15

愛を求めて人生をさまよう男女三人!芦川いづみさんの異色作!・・・『硝子のジョニー 野獣のように見えて』(日活、1962年公開)

 神保町シアターで特集企画「恋する女優 芦川いづみ アンコール&リクエスト」の一本、日活映画『硝子のジョニー 野獣のように見えて』を鑑賞しました。蔵原惟繕の監督、山田信夫の脚本です。

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 芦川いづみさんが薄幸な少女を演じた異色作です。『道』のジェルソミーナを彷彿させるような、今まで観た芦川さんの出演作とは全く違った役どころの作品です。高度成長期以前の日本の地方の貧しさをドキュメンタリーのような映像で描いています。

 貧しさゆえに売られた知的障害のある娘に芦川いづみさん、歌手の過去を持つ女衒にアイ・ジョージ、競輪選手に入れあげている板前崩れの予想屋に宍戸錠、この三人の物語でそれぞれが不幸競争をしているように思えるほどです。

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 初めて俳優としてのアイ・ジョージを観ました。北海道の漁村に人買いに来て、海で体を洗うときの筋骨隆々たる肉体美に驚きです。宍戸錠が優男に見えます。この映画のタイトル前半はアイ・ジョージが歌う主題歌の題名でもあります。名曲です。

 この作品は芦川さん本人が選んだベストセレクション集の「芦川いづみ DVDセレクション」にも収録されています。

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2016.07.09

三本の映画で香山美子さんの魅力を追う!様々な役で魅せる女優魂!・・・『姐御』『人生劇場』『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』

 今週末に西横浜のシネマノヴェチェントで女優の香山美子さんがゲストで来館されるイベントがあります。その予習として、香山さんが大きい役で出演している三本の映画をDVDで鑑賞しました。

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 一本目は1972年の松竹映画『人生劇場 青春・愛欲・残侠篇』です。

歩き始めた男の道は止めて止まらぬ任侠の道 広い世間でよく会えた四人男の意気地が揃う!(内容紹介より)

 通算14回の映画化を誇る尾崎士郎の原作ですが、この加藤泰監督作品は評価が高い作品です。原作の「青春編」〜「残俠編」を一挙に映画化しているので、ダイジェスト版のようになっていますが、田宮二郎の吉良常、竹脇無我の青成瓢吉、高橋英樹の飛車角の三人のバランスがとても良く出来ています。

 香山さんは青成と恋仲になって捨てられ、身を持ち崩すお袖の役です。女給を経て女郎にまで身をやつしますが足抜けし、映画の最後には旅館の女将の姿で青成と再会して、吉良常を看取ります。

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 二本目は東映映画『姐御』です。バブル絶頂期の1988年作です。

姐御と呼ばれる女──それは極道社会の中でギリギリの悲しみを引き受けた女。女優・黒木瞳が極道の女の生き様を熱演!(内容紹介より)

 松方弘樹演じる若頭の若妻役で黒木瞳が熱演しているのですが、その姉貴分で小料理屋の女将役を香山美子さんが好演しています。タイトルの姐御は元々は香山さん演じる澄江を指しています。

 とにかくあえて抑揚を付けずに、カタルシスを感じさせずに淡々と進む話に驚きました。かと言ってドキュメンタリータッチというわけではありません。極道の世界なんかこんなもの、ということなのでしょうか?松方と黒木が並んで見せる背中の緋鯉真鯉がとても美しく映えます。香山さんは本当にベテランの味を出しています。

 香山さんが熊本弁で黒木に話す「忘れなっせ、時が経てば、いつか、きっと、忘れられんでも、悲しみだけは、遠くへいってくれる」という言葉が沁みます。でも、黒木は執拗に仇を討とうとします。

 黒木瞳、高部知子、白都真理と、出演する主な女優さん達にはヌードシーンや濃厚な濡場が与えられているのですが、香山美子さんにはありませんでした。

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 三本目は『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』でした。2009年の作品です。

原作者の島田洋七自らの監督で再映画化! 島田紳助やそのまんま東、高島礼子、香山美子らが出演


時は昭和33年。居酒屋で働く母子家庭では世話がしきれず、小学校一年生で超がつく貧乏なばあちゃんの家に預けられてしまった昭広少年。

このばあちゃんが明るく逞しい「がばい=すごい」ばあちゃんだった。
初めは不慣れな田舎暮らしにとまどいながらも、生きる知恵とトンチのきいた明るいばあちゃんに育てられ、すくすくと成長してゆく8年間を描く。(内容紹介より)

 香山美子さんはまたしてもタイトルロール、ばあちゃん役で熱演しています。でも、吉行和子や泉ピン子のばあちゃんらしさには負けています。それだけ香山さんは若々しくて、声のトーンも高く、ルックスも垢抜けすぎて貧乏なばあちゃんらしくないと言うことですね。

 映画はばあちゃんが主役ではなく、ばあちゃんに預けられた昭広(洋七)の成長を追うお話でした。

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2016.07.06

香山美子さんの神々しい裸身!淫靡な倒錯の推理劇!・・・『江戸川乱歩の陰獣』(松竹、1977年)

 松竹の1977年作品『江戸川乱歩の陰獣』をDVDで鑑賞しました。1977年の初公開時に劇場で観て以来です。

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 この映画は江戸川乱歩が自分自身をモチーフに描いた本格探偵小説の映画化です。前年に角川映画の『犬神家の一族』が公開されており、あっちが横溝ならこっちは乱歩だ!という流れで作られたのは確かなのですが、明智探偵ものではなくなぜこんなマニア受けする原作を選んだのかは不明です。

隅田川に生首ひとつ。じょんがら節の悲曲が闇を裂いて連続妖気殺人事件の幕が上がる―。香山美子の妖艶な姿態に魅き込まれる!<ストーリー>「私は先生のファンです。」探偵作家寒川(あおい輝彦)にさりげなく近づいた女、静子(香山美子)のうなじにはエロチックな赤いミミズ腫れがあった。その静子が大江春泥から脅迫されているという。 昭和3年、寒川は怪奇幻想が売りの変格派春泥を軽蔑し、批判の文章も書いていた。 春泥は静子の初恋相手だったが、ふられた腹いせに復讐を宣告してきたのだ。脅迫状には静子と夫の夜の秘事まで観察した記録があり、闇に潜む陰獣のような眼に静子は恐れおののいていた。そして第二の脅迫状が届き、予告通り、静子の夫六郎(大友柳太朗)が隅田川に溺死体で浮かび上がった…。(ジャケットの内容紹介より)

 大乱歩が自分にも鞭打ちつつ、変態性をこれでもかとさらけ出して書いたSMテーマの倒錯探偵小説なので、かなり原作に忠実なこの映画も犯人当てなどそっちのけで後半は完全に変態映画になります。当時33歳の香山美子さんのヌードがそれはそれは美しく、神々しいほどです。

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 監督は大ベテランの加藤泰。70年代に入って東映京都から松竹に活躍の場を移し、『人生劇場』、『花と龍』、『宮本武蔵』と大作を立て続けに撮った後の作品です。独特のアングル、色調、画面構成はこの映画が生まれながらにカルト映画となるべき運命だったことを強く感じさせます。

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香山美子さんの好演!松竹メロドラマの典型!・・・『命果てる日まで』(松竹、1966年劇場公開)

 DVDで松竹の1966年作品『命果てる日まで』を鑑賞しました。松竹大船の典型的メロドラマで、野村芳太郎が監督しています。原作は『野菊の墓』の菊田一夫です。

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 ストーリーは簡単に言えば二股男が献身的な恋人を捨てて起こる悲劇なのですが、このモテモテの二股男を山口崇がとても憎たらしく演じています。今ならサイテー!と罵られるレベルです。

 このサイテー男に献身的に尽くして捨てられる薄幸な女を香山美子さんが好演しています。サイテー二股男と半同棲状態なのに藤原鎌足演じるダメ親父の所為で結婚に踏み切れないでいるところを、生田悦子演じる西陣の織物問屋の娘に横からサイテー男を掻っ攫われて、もう本当に死んでしまうしかなくなります。これこそ松竹のメロドラマです。

 女優王国らしく、特別出演で岩下志麻、倍賞千恵子、桑野みゆきが、新人として尾崎奈々が彩りを添えています。

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2016.07.03

51年前に憧れた映画はトンデモだった?!一挙に映画の敷居を低くする珍作!・・・『フランケンシュタインの逆襲』(アメリカ映画、1965年日本劇場公開)

 1965年公開のアメリカ映画『フランケンシュタインの逆襲』をDVDで鑑賞しました。同題名のハマーフィルムの映画とはまったく無関係です。

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色んな意味で恐い! 幻のトンデモホラーの傑作蘇る! 解説】 ■1957年にハマーフィルムで製作された「フランケンシュタインの逆襲」とは全くの別物。同じ邦題が故に比較され、酷評され幻となった怪作。 ■長年、日本ではVHS化もDVD化もされず、幻のトンデモシネマが遂に解禁! ■全編に渡り、鬼気迫る意味の無いド派手な演出と薄い内容は近代映画以上! 必ず貴方を魅了する。 STORY】 宇宙からやってきた円盤に乗る男女。 実は地球の女性を我がモノにすべくやってきた宇宙人だった! 次々と誘拐され拉致されモンスターの手に堕ちる美女たち。 彼らを救うべくサイボーグ戦士は戦いを挑む! !(ジャケットの内容紹介より)
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 おそらくは同年公開の東宝映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』に便乗して日本公開されたのでしょう、当時の少年誌にはかなり多くのこの『フランケンシュタインの逆襲』の記事が掲載されていたことを覚えています。

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 それらの記事のほとんどには、半分顔が焼け焦げてフランケンシュタインの怪物状態となったアンドロイドのフランク中佐と火星から来た恐ろしい顔の怪物ムルが戦うというとても魅力的なビジュアルが掲載されていたのでした。

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 雑誌を読んでは胸をワクワクさせてこの映画の公開をとても期待していました。でも、結局なぜか劇場に観に行く機会はありませんでしたし、その後、テレビ放映時も見逃して、ずっと観る機会がないまま今に至ってしまいました。

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 先月とうとうDVDが日本でも発売されましたので、早速買って51年前のワクワク感を思い出しつつ鑑賞しました。そして、画面の前に展開したのはエド・ウッドさえもう少し工夫しただろうに、これと比べればAIPなんか大メジャーだろう、と言わざるを得ないものすごいものでした。

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 子供の自分がワクワクして待っていたのはこんな映画だったのか!なんでこんな映画を日本で劇場公開したのか?!あの頃見なくて良かった!!・・・

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 ・・・いいえ、 51年前の自分に強く言いたいです。この映画は何があっても観ておくべき、そうすればこ どんなひどい映画もこの映画よりはマシ、と思って耐えられるだろうから、得した気分になるよ、と。そう、愛すべきおバカ映画にまた出会えたのでした。

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 しかし、マリリン・ハノルドが楽しそうに演じる火星女王とその腹心のスポック耳したナディール博士(ルー・カテル)のコンビは本当に最高です。この二人を見るだけでもこの映画を観る価値はあるでしょう。

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2016.06.22

ベッドの隣に美女の死体が!?自分を追う破目に陥った新聞記者!・・・『シカゴの事件記者』(創元推理文庫、ジョナサン・ラティマー作)

 創元推理文庫のジョナサン・ラティマー作『シカゴの事件記者』を読みました。ラティマーの小説を読むのは『処刑6日前』に次いで二冊目です。

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 単発のサスペンスで拳銃マークにしてはハードボイルド味は薄いのですが、その分謎解き成分が濃いストーリー展開で、どんでん返しまであって最後の最後まで楽しめます。但し、どこまでシリアスなのか、それとも笑っていいのか、サムの弁護士トム・ニコルズが警察に捕まって取られる尋問調書など抱腹絶倒ものです。

泥酔した新聞記者サム・クレイは、ベッドの中で目をさました。それは自分の部屋ではなかったし、隣に眠っているのは全裸の血まみれの美女だった。その時けたたましく鳴りひびく電話のベル・・・・・・。殺人事件の巧妙な罠におちたサムは、皮肉なことにその事件を担当して取材することになった。凶悪犯として捜査の対象になっている自分を救うためにも、一刻も早く真犯人をつかめなければならない。シカゴの大新聞社を舞台に、命がけで奮闘する事件記者の生態をハードボイルド・タッチで描くラティマーの代表作。

 誰の部屋かもわからぬほどに泥酔して日曜朝に目覚めたら、 ベッドの隣に「死体」となった血まみれ美女を発見、さあどうする?!と、発端から考える間も与えられずグイグイ引っ張られるのですが、とにかく登場人物もイベントも多くて覚えきれないほどです。しかも人名表にも載っていない登場人物も多く出てきて、もはやこれって誰?と悩んでしまうほどでした。

 主人公サムの気持ちになれば、いつ自分に嫌疑が向けられて逮捕されるかわからないし、それなのに頼みとする弁護士や探偵は次々と警察のごやっかいになるし、真犯人につながると思われた証人は殺されてしまうし、もうずっと心臓が高鳴って表情も強張って、生きた心地がしなかったのではないかと思います。それでもラティマー描く主人公は『処刑6日前』のウェストランドもそうですが、かなり精神的にタフです。

 原題は"Sinners and Shrouds"(罪びとと屍衣)ですが、私にはどう言った意味なのか皆目わかりません。何かの引用なのでしょうか。アメリカ版のペーパーバック表紙は小説の一場面をそのまま描いています。サム・クレイは死体を置いて逃げ出す時にメイドをブランデーの壜で殴り倒してしまうのです。

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«前田通子の日本初全裸映画!?新東宝お得意の復讐サスペンス!・・・『女真珠王の復讐』@神保町シアター